「おやすみ」しか出てこないのに、なぜか子どもが笑う
「寝かしつけ絵本って、静かなお話じゃないとダメ?」と思っていませんか?
『おやすみゴリラくん』は、文字がほぼゼロ。登場するのは「おやすみ」という言葉だけ。でも子どもは絵を見てクスクス笑い、最後は静かに寝落ちしていきます。
動物園で動物たちが大脱走するユーモアと、最後の「みんなでおやすみ」のギャップ。怖がらせず、騒ぎすぎず、ちょうどいい温度感で寝落ちに誘導できる絵本です。
育休10ヶ月を取得して三姉妹の寝かしつけを担当してきた中で、この絵本は「読み聞かせ初心者のパパでも自信を持てる一冊」でした。この記事では、『おやすみゴリラくん』の魅力と、パパでもできる読み聞かせのコツをお伝えします。
『おやすみゴリラくん』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | おやすみゴリラくん |
| 作者 | ペギー・ラスマン(作・絵) |
| 翻訳 | いとうひろし |
| 出版社 | 徳間書店 |
| 初版 | 1996年 |
| 推奨年齢 | 1歳〜5歳 |
| ページ数 | 32ページ(ボードブック版もあり) |
| 価格帯 | 1,000円前後 |
原題は『Good Night, Gorilla』。アメリカで1994年に出版され、ALA Notable Children’s Book(米国図書館協会推薦)、Parenting Magazine Best Children’s Books of the Yearに選ばれた名作です。日本語版は翻訳家でイラストレーターのいとうひろしが手がけています。
あらすじ:動物園の大脱走、でも最後はみんなでおやすみ
夜の動物園。警備員のおじさんが懐中電灯を手に、動物たちに「おやすみ」を言って回ります。
「おやすみ、ゴリラくん」
でもいたずら好きのゴリラくんは、おじさんのベルトから鍵束をこっそり抜き取ります。
ゴリラくんは次々と動物のオリを開けていき、ゾウ、ライオン、キリン、ハイエナ、アルマジロ…みんな静かに警備員のおじさんについて歩きだします。小さなネズミもバナナを持って一緒に行進。
行き着いた先はおじさんの家。ベッドに入ったおじさんの後ろに、動物たちがこっそり並んで寝転がります。
暗闇で気づいた奥さんが「おやすみ」と声をかけると、動物たちが一斉に「おやすみ」と返事。
驚いた奥さんが電気をつけると、そこには動物たちの寝顔がずらり。
奥さんは動物たちを連れて動物園へ。でも最後まで一緒にいたゴリラくんだけは、おじさんのベッドでこっそりおやすみ。
文字はほぼ「おやすみ」だけ。でも絵だけで十分に面白く、最後は静かな「おやすみ」で締めくくられます。
この絵本の3つの魅力
①「おやすみ」しか出てこないから、パパでも読みやすい
寝かしつけ絵本の中には、感情を込めた朗読が必要なものもあります。でも『おやすみゴリラくん』は違います。
ほぼ全ページに登場するのは「おやすみ」という言葉だけ。あとは絵を見せながら「ゴリラくんが鍵を取ったね」「ライオンさんも起きちゃった」と語りかければOKです。
読み聞かせ初心者のパパでも、自分のペースで進められます。セリフを覚える必要もなく、即興で話しかけながら読めるので、毎回違う楽しみ方ができるのも魅力です。
②ユーモアと静けさのギャップで、寝落ちしやすい
この絵本の絶妙なバランスは、「笑える展開なのに、最後は静かに締まる」ところです。
動物たちが大脱走してベッドに忍び込む場面では、子どもはクスクス笑います。でもラストは暗闇の中で小さく「おやすみ」。興奮しすぎず、程よいリラックスで寝落ちに誘導できます。
「ねないこだれだ」のような怖い系でもなく、「おつきさまこんばんは」のような静か系でもない。第3の寝かしつけアプローチとして、幅広い子どもに合います。
③絵の中に細かい遊び心がたくさん
この絵本の楽しみ方は、ストーリーだけではありません。
- ページごとに小さなネズミがバナナを持って登場
- 空に浮かぶピンクの風船が全ページに描かれている
- 動物たちの表情がページごとに微妙に変わる
- おじさんの奥さんがパジャマでライトを持って歩く姿のユーモア
何度読んでも新しい発見があるので、子どもが「もう一回」とリクエストしてきても飽きません。「今日はネズミを探してみよう」「風船はどこにあるかな?」と、毎回違う楽しみ方ができます。
パパでもできる読み聞かせのコツ
絵をゆっくり見せて、指差しで語りかける
この絵本は文字が少ない分、絵をじっくり見せることが大切です。
「ゴリラくんが鍵を取ったね」「あ、ゾウさんも起きちゃった」と、指差しながら語りかけましょう。子どもも一緒に指差しで参加してきます。
セリフを読むというより、絵を一緒に楽しむスタンスで。パパならではの「実況解説風」な読み方も子どもに好評です。
「おやすみ」はだんだん小声にしていく
後半になるにつれて、「おやすみ」の声をだんだん小さくしていきます。
最後のページでは、ささやき声で「おやすみ」。この静かなトーンが、そのまま寝落ちにつながります。
声のトーンを落としていくだけで、子どもも自然に静かなモードに切り替わります。
「もう一回」は2〜3回が限度。次の絵本へつなぐ
この絵本は短いので、子どもは「もう一回!」とリクエストしてきます。
でも繰り返しすぎると逆に目が冴えてしまうので、2〜3回読んだら「最後に静かな絵本を読もうか」と別の絵本につなぐのがおすすめです。
「おつきさまこんばんは」「ねないこだれだ」など、静かに締めくくれる絵本とセットで読むと、寝かしつけがスムーズになります。
年齢別の楽しみ方
| 年齢 | 楽しみ方 |
|---|---|
| 0〜1歳 | 動物の絵を指差して名前を言う。「ゾウさん」「ライオンさん」と単語で語りかけ。 |
| 2〜3歳 | 「ゴリラくんが鍵を取ったね」「動物さんたち、どこに行くのかな?」と質問形式で。子どもも一緒に指差しで参加。 |
| 4〜5歳 | 細かい遊び心を一緒に探す。「ネズミさんはどこ?」「風船は何色?」クイズ形式で盛り上がる。 |
どの年齢でも「おやすみ」を一緒に言うことで、寝る前のルーティンとして定着しやすくなります。
『おやすみゴリラくん』のレビュー・評価
高評価の声
「5歳と2歳の娘のために購入。絵もストーリーもとってもチャーミングで、何度も繰り返し『読んで』とリクエストがきます」(Amazon レビュー)
「細部まで丁寧に描かれていて遊び心があり、大人が見ていてもおもしろい」(絵本ナビ レビュー)
「ほとんど言葉がないので、読み聞かせをする際には自分で文章を作って説明できる。子どもとの対話のきっかけになる」(Goodreads レビュー)
こんな声も
「文字が少なすぎて、どう読んでいいか迷った。でも慣れると自由に語りかけられるのが楽しい」(絵本ナビ レビュー)
文字が少ない分、読み手によって楽しみ方が変わる絵本です。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると自分なりのアレンジができる自由さが魅力になります。
こんな人におすすめ
- 寝かしつけ絵本を探しているが、怖い系は避けたい
- 読み聞かせ初心者のパパでも読みやすい絵本が欲しい
- 子どもが「もう一回」とリクエストしても苦にならない短い絵本
- セリフを覚えずに、即興で語りかけながら読みたい
- 絵の中に遊び心があって、何度読んでも飽きない絵本
他の寝かしつけ絵本との比較
| 絵本 | 特徴 | 寝かしつけ効果 |
|---|---|---|
| ねないこだれだ | 怖い展開で「寝ないとおばけになる」と促す | 怖がりの子には逆効果の場合も |
| おつきさまこんばんは | 静かで穏やかな展開 | 落ち着いた雰囲気で寝落ちしやすい |
| おやすみゴリラくん | ユーモアと静けさのギャップ | 笑いながらも最後は静かに締まる |
『ねないこだれだ』は怖がる子もいるので好みが分かれます。『おつきさまこんばんは』は静かすぎて物足りない子も。『おやすみゴリラくん』はその中間で、幅広い子どもに合います。
関連記事:『ねないこだれだ』は怖い?寝かしつけに使える?賛否と活用法(※内部リンク想定)
購入方法とボードブック版の選び方
『おやすみゴリラくん』は、通常版とボードブック版の2種類があります。
- 通常版:ページが薄い紙製。絵がきれいに見える。3歳以上向け。
- ボードブック版:厚紙で破れにくい。0〜2歳向け。
0〜2歳のお子さんには、破れにくいボードブック版がおすすめです。3歳以上なら、絵がきれいに見える通常版でも問題ありません。
Amazon・楽天ブックス・絵本ナビなどで購入できます。
まとめ:言葉ゼロでも、子どもが笑って寝落ちする魔法
『おやすみゴリラくん』は、「おやすみ」しか出てこないのに、子どもが笑い、最後は静かに寝落ちしていく不思議な絵本です。
動物たちの大脱走というユーモアと、最後の「おやすみ」のギャップ。読み聞かせ初心者のパパでも、自分のペースで語りかけながら読めます。
「ねないこだれだ」のような怖い系でもなく、「おつきさまこんばんは」のような静か系でもない。第3の寝かしつけアプローチとして、ぜひ試してみてください。


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