「うんとこしょ、どっこいしょ」。このフレーズを聞いて、懐かしさを感じる人も多いのではないでしょうか。
『おおきなかぶ』は、パパの低い声で読むと子どもが大喜びする絵本です。力強い掛け声は声質にぴったり合い、読み聞かせが苦手でも楽しめます。何度も読むうちに、子どもが「うんとこしょ」を真似し始め、言葉を獲得していく姿を見られます。
三姉妹(小1・年少・9ヶ月)と読んできた中で気づいた、パパ目線での魅力と読み聞かせのコツを紹介します。
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『おおきなかぶ』ってどんな絵本?
基本情報とあらすじ
ロシア民話をA・トルストイが再話し、内田莉莎子が翻訳、彫刻家・佐藤忠良が挿絵を担当。1962年に福音館書店から刊行され、60年以上愛され続けているロングセラーです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 原作 | A・トルストイ(ロシア民話の再話) |
| 翻訳 | 内田莉莎子 |
| 挿絵 | 佐藤忠良 |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 対象年齢 | 2〜5歳 |
| 刊行年 | 1962年 |
おじいさんが植えたかぶが大きく育ちすぎて、一人では抜けません。おばあさん、孫、犬、猫、ねずみと次々に仲間を呼び、「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声で力を合わせます。最後に小さなねずみが加わると、ついにかぶは抜けました。
繰り返しのリズムと、登場人物が増えていくワクワク感が子どもを引きつけます。
「うんとこしょ どっこいしょ」の魅力
この絵本の最大の魅力は、「うんとこしょ、どっこいしょ」という掛け声です。
声に出すとリズム感が心地よく、日本語の面白さを存分に味わえます。翻訳者の内田莉莎子さんが、ロシア語の原文を日本の子どもたちに響く言葉に翻案しました。
年齢問わず、引っこ抜く動作と一緒に掛け声をかけます。言葉を話し始めるころなら、ほぼ確実に真似します。リズムが良いので、「もう一回!」とリクエストしてくれます。
パパの声で読む「うんとこしょ」が最強な理由
低い声×力強い掛け声の相性
力を込めた低い声で読むと、迫力が増します。パパの声質との相性は抜群です。
ママの優しい声も良いですが、低い声で「うんとこしょ!」と読むと、子どもの反応が変わります。本当にかぶを引っ張っているようなリアリティが生まれ、絵本の世界に引き込まれます。
演技力は不要です。掛け声の部分だけ少し力を込めれば、子どもは大喜びしてくれます。
読み聞かせが苦手なパパにもおすすめ
「絵本の読み聞かせは苦手」と感じているパパにこそおすすめです。
ストーリーがシンプルで、セリフもほとんどありません。「うんとこしょ、どっこいしょ。それでもかぶはぬけません」という繰り返しが基本なので、初めてでも読みやすい構造です。
掛け声は子どもと一緒に声を出せます。「せーの、うんとこしょ!」と声をかければ、一緒に引っ張る動作をしてくれます。読み手と聞き手の境界がなくなり、遊んでいる感覚で楽しめます。
パパの読み聞かせデビューにぴったりの一冊。難しいことを考えず、子どもと一緒に「うんとこしょ」を楽しめます。
親子で一体感を味わえる読み聞かせ
掛け声を一緒に言うことで、親子の距離が縮まります。
読み聞かせは読む側と聞く側に分かれがちですが、『おおきなかぶ』なら一体感が生まれます。子どもは「自分も参加している」という実感を持てます。
何度も読むうちに、掛け声のタイミングを覚えます。ページをめくる前に「うんとこしょ!」と先に言い始める姿は、成長を感じる瞬間です。
繰り返しが子どもの言葉を育てる
同じ絵本を何度も読む意味
「また同じ絵本?」と思うことはありませんか。子どもが繰り返し読みたがるのは、成長のサインです。
繰り返しは記憶の定着を促します。何度も読むと、子どもは新しい語彙を覚え、日常会話で使い始めます。特に1〜2歳の時期は、繰り返しを通して言葉を「自分のもの」にしようとしています。
慣れ親しんだ絵本を選ぶのは、「次に何が起こるか分かる」安心感があるから。予測できる展開の中で、言葉やリズムを楽しむ余裕が生まれます。
「もう一回読んで」は、「もっと学びたい」のサイン。同じ絵本を繰り返し読むことは、決して無駄ではありません。
「うんとこしょ」を真似することで言葉を獲得
リズムのあるフレーズは、発語を促します。
「うんとこしょ、どっこいしょ」は音の響きが心地よく、真似しやすい言葉です。1〜2歳児が最初に真似する言葉になることも多く、「うんこしょ!」「どっこいしょ!」と嬉しそうに言う姿を見られます。
言葉を獲得する過程で、繰り返しのリズムは強力な助けになります。意味が分からなくても、音の楽しさだけで真似をする。それが第一歩です。
繰り返しのリズムが心地よい理由
子どもは予測できる展開を好みます。
『おおきなかぶ』は、「うんとこしょ、どっこいしょ。それでもかぶはぬけません」という同じパターンが繰り返されます。次に何が起こるか分かっているので、安心して物語を楽しめます。
ただし、完全に同じではありません。おばあさん、孫、犬、猫、ねずみと登場人物が増えていく変化があります。繰り返しの中で少しずつ変わるこの構造が、子どもを飽きさせません。
最後に小さなねずみが加わって「やっとかぶはぬけました」という結末は、達成感と安心感をもたらします。「次も読んで」と言いたくなる心地よさがあります。
『おおきなかぶ』から学べること
協力する大切さを自然に感じられる
「一人では無理でも、みんなでなら」。この絵本のメッセージはシンプルですが、深いものです。
おじいさん一人ではかぶは抜けません。おばあさん、孫、犬、猫、ねずみと仲間が増えるたびに、力が大きくなっていきます。小さな力が集まって大きな力になる体験を、物語を通して感じられます。
この絵本の良いところは、「協力しなさい」と説教しないこと。物語を楽しむうちに、自然に協力の価値を感じられます。
諦めない心を育てる
おじいさんは、かぶが抜けなくても諦めません。何度も仲間を呼び続けます。
「それでもかぶはぬけません」というフレーズが繰り返されても、登場人物は挑戦をやめません。最後まで粘り強く仲間を呼び続ける姿勢が、諦めない心を伝えます。
最後に「やっとかぶはぬけました」という達成感。何度も挑戦した先に成功があるという体験は、子どもの心に残ります。
小学校の教科書でも採用される理由
『おおきなかぶ』は、小学校1年生の国語教科書に掲載されています。
言葉のリズムと協力の大切さを学べる教材として優秀だからです。繰り返しのパターンで物語の構造を学び、登場人物の行動を通して協力の価値を考えられます。
世代を超えて愛される理由は、普遍的なテーマを扱っているから。協力すること、諦めないこと。時代が変わっても大切な価値です。
佐藤忠良の挿絵の力強さ
彫刻家が描く「本物」の絵
挿絵を担当した佐藤忠良は、彫刻家です。絵本作家ではなく、彫刻家が描いた絵本というのは珍しいかもしれません。
佐藤忠良のデッサン力は圧倒的です。人物の骨格、筋肉、動きが正確に描かれています。甘い童画ではなく、リアルな人物描写が特徴です。
福音館書店の編集者・松居直さんは、「子どもに本物の絵を見せたい」という信念から佐藤忠良に依頼しました。当時流行していた可愛らしい童画ではなく、しっかりとしたデッサンに基づいた絵を届けたかったのです。
シベリア抑留体験が生んだリアリティ
佐藤忠良は、第二次世界大戦後にシベリアに抑留された経験を持ちます。
その経験が、ロシア農民の生活感をリアルに描く力になりました。絵本に出てくる登場人物は、シベリアで出会った人たちがモデルだと言われています。
「隅から隅まで動いている」「息遣いが感じられる」絵。生活感があり、人物が本当に生きているように見えるのは、実体験があったからです。
子どもに「本物」を見せることの価値。甘い絵ではなく、力強く生き生きとした絵を見ることで、感性は育ちます。
『おおきなかぶ』はこんな人におすすめ
- パパの読み聞かせデビューに挑戦したい人
- 1〜3歳の言葉を育てたい時期の子どもがいる人
- 繰り返しが好きな子ども、リズムのある絵本を探している人
- 協力の大切さを自然に伝えたい人
- 世代を超えて愛されるロングセラーの名作を探している人
- 本物の絵を子どもに見せたいと考えている人
購入方法・どこで買える?
Amazon・楽天などで購入できます。福音館書店版(佐藤忠良の挿絵)が定番です。
試し読みしたい場合は、図書館で借りるのもおすすめです。多くの公立図書館に所蔵されています。
なお、保育園や幼稚園での読み聞かせ用に、大型絵本版も販売されています。家庭用には通常サイズで十分です。
まとめ:パパの声で「うんとこしょ」を楽しもう
パパの低い声で読むと、子どもが大喜びする絵本です。
「うんとこしょ、どっこいしょ」という掛け声は、力強く読むことで迫力が増します。演技力は不要。掛け声を一緒に楽しむだけで、親子の一体感が生まれます。
繰り返しのリズムは、子どもの言葉を育てます。何度も読むことで、自然に「うんとこしょ」を真似し、言葉を獲得していきます。
協力する大切さ、諦めない心。物語を通して伝わるメッセージは、押しつけがましくなく、子どもの心にすっと入っていきます。
世代を超えて愛される理由は、普遍的なテーマと力強い挿絵にあります。パパの読み聞かせデビューに、ぜひ手に取ってみてください。


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