『うちのピーマン』三姉妹のパパが語る、野菜嫌いに刺さるピーマン絵本レビュー

「うちの子、ピーマンだけはどうしても食べてくれない」と悩んでいませんか。

野菜嫌いの定番といえばピーマンです。苦みがある、においが独特、見た目が濃い緑色で「いかにも野菜」という感じがする。小さな子どもにとってピーマンは、ハードルが高い食材の代表格です。

そんなピーマン嫌いの子どもに「ちょっと面白そう」と思わせてくれるのが、今回ご紹介する絵本『うちのピーマン』です。

この記事では、育休を10ヶ月取得して三姉妹(小1のめい・年少3歳のゆい・9ヶ月のひな)と毎日絵本を読んでいるパパの視点から、『うちのピーマン』がどんな絵本なのか、どうして野菜嫌いの子に響くのかを詳しくレビューします。

最後まで読むと、ピーマン嫌いの子に絵本を使ったアプローチをしたくなるはずです。

目次

『うちのピーマン』ってどんな絵本?基本情報

まずは基本情報から整理しておきます。

  • タイトル: うちのピーマン
  • 作: 川之上英子・川之上健
  • 絵: 柴田ケイコ
  • 出版社: 小学館
  • 発行年: 2020年
  • 対象年齢: 2〜5歳ごろ
  • ページ数: 32ページ

この絵本の最大の特徴は、「ピーマン側の視点」で物語が進む点です。

ふつう、野菜嫌い克服系の絵本では「子どもが野菜を食べるまで」がテーマになります。でも『うちのピーマン』は違います。ピーマンが主人公で、「食べられたくない!」と必死に逃げ回るのです。

この発想の転換が、子どもの興味をぐっと引きつけます。

あらすじ:食べられないように頑張るピーマンの逃避行

物語は、畑で育ったピーマンが家に連れてこられるところから始まります。

ピーマンは気づきます。「このままだと食べられてしまう」と。

そこでピーマンは必死に考えます。どうすれば食べられずに済むのか。まず冷蔵庫の中で小さくなろうとします。でも見つかってしまいます。次に固くなろうとします。それでも包丁で切られてしまいます。

最終的にピーマンは、フライパンの上で「焦げたふり」をしてみます。それでも食べられそうになります。

ピーマンの必死の抵抗がユーモアたっぷりに描かれていて、読んでいる子どもは「ピーマン、がんばれ」と応援したくなります。

そして最後、ピーマンがどうなるのか。結末は読んでのお楽しみですが、子どもにとって納得感のある終わり方になっています。

ピーマン視点のユーモアが子どもに刺さる理由

なぜこの絵本は子どもに刺さるのでしょうか。ポイントは「視点の転換」です。

ピーマンが主人公だから感情移入できる

ふつう、絵本では子どもが主人公です。でもこの絵本ではピーマンが主人公です。ピーマンが考えて、悩んで、逃げて、必死になる。その姿が擬人化されているので、子どもは「ピーマンの気持ち」を想像できます。

「ピーマン、大変そう」「どうやって逃げるのかな」と、自然にピーマンに感情移入します。これが重要です。

「嫌い」を笑いに変えてくれる

ピーマン嫌いの子にとって、ピーマンは「嫌なもの」「苦手なもの」です。でもこの絵本を読むと、ピーマンが「面白いもの」に変わります。

冷蔵庫で小さくなろうとする姿、固くなろうとする姿、焦げたふりをする姿。どれもユーモアがあって、読んでいるうちに笑ってしまいます。

笑いは、警戒心を解く最強のツールです。「嫌い」という感情が「面白い」に変わると、子どもの心のハードルは少し下がります。

「食べられたくない」気持ちを理解すると、逆に食べたくなる

心理的に面白いのは、「ピーマンは食べられたくないんだ」と理解すると、子どもは逆に「食べてあげようかな」という気持ちになることです。

これは大人の視点では不思議に見えますが、子どもにとっては自然な感情の流れです。ピーマンが逃げれば逃げるほど、「今度こそ食べてあげる」という気持ちが芽生えます。

もちろん、すぐに食べられるようになるわけではありません。でも「ピーマンに興味を持つ」という第一歩が、この絵本によって踏み出せます。

野菜嫌い克服のきっかけになる「絵本処方」

この絵本は、野菜嫌いを克服するための「絵本処方」として機能します。

絵本は「薬」ではなく「きっかけ」

誤解してほしくないのは、「この絵本を読めば必ずピーマンが食べられるようになる」わけではない、という点です。

絵本は魔法ではありません。でも「ピーマンへの興味」「ピーマンへの親しみ」を育てるきっかけにはなります。

興味が生まれると、食卓でピーマンを見たときの反応が変わります。「あ、ピーマンだ」と気づくようになります。触ってみようと思うかもしれません。ひと口だけ挑戦してみようと思うかもしれません。

そうした小さな変化の積み重ねが、最終的に「食べられるようになる」につながります。

読み聞かせのタイミングは「食事前」がおすすめ

この絵本を読むタイミングは、夕食前がおすすめです。

読んだ直後にピーマン料理が出てくると、絵本の世界と現実がつながります。「このピーマン、逃げようとしてるかな」「食べてあげようか」という会話が自然に生まれます。

食事前に読むことで、ピーマンへの心理的距離が少し縮まります。

繰り返し読むことで効果が積み上がる

1回読んだだけでは、効果は限定的です。繰り返し読むことで、ピーマンへの親しみが積み重なります。

子どもは繰り返しが大好きです。同じ絵本を何度も「読んで」とせがまれたことがある方は多いと思います。『うちのピーマン』も、繰り返し読むことでピーマンのキャラクターが子どもの中に定着します。

定着すると、食卓でピーマンを見たときに「絵本のピーマン」が思い浮かぶようになります。この感覚が、野菜嫌い克服の強い味方になります。

柴田ケイコ(パンどろぼう作者)の絵の魅力

この絵本のもうひとつの大きな魅力は、柴田ケイコさんの絵です。

柴田ケイコさんといえば、大ヒット絵本『パンどろぼう』シリーズの作者です。『パンどろぼう』も、うちの三姉妹が大好きな絵本のひとつです。

(関連記事:『パンどろぼう』を三姉妹パパが読んだ正直レビュー。笑いと教育のバランスが絶妙

ピーマンのキャラクターがかわいい

柴田ケイコさんの絵の特徴は、キャラクターに愛嬌があることです。

『うちのピーマン』のピーマンも、表情豊かでかわいらしく描かれています。困った顔、必死な顔、焦った顔。どれもユーモアがあって、子どもは「このピーマン、かわいい」と感じます。

かわいいと感じると、親しみが湧きます。親しみが湧くと、現実のピーマンを見たときの印象も変わります。

色使いが明るくてポップ

柴田ケイコさんの絵は、色使いが明るくてポップです。ピーマンの濃い緑色も、この絵本では親しみやすい色合いになっています。

子どもにとって「見ていて楽しい」と思える絵は、絵本への興味を持続させる大事な要素です。

『パンどろぼう』好きなら間違いなし

もしお子さんが『パンどろぼう』を気に入っているなら、『うちのピーマン』も同じように気に入る可能性が高いです。

絵のタッチ、ユーモアのセンス、キャラクターの表情。どれも柴田ケイコさんらしさが詰まっています。「同じ人が描いた絵本だよ」と紹介すると、子どもの食いつきが変わります。

年齢別の楽しみ方(2〜3歳/4〜5歳)

『うちのピーマン』は2〜5歳向けですが、年齢によって楽しみ方が変わります。

2〜3歳:ピーマンの動きを楽しむ

2〜3歳の子は、まだストーリーの展開を深く理解するのは難しいです。でもピーマンが冷蔵庫で小さくなろうとする姿、フライパンで焦げたふりをする姿など、視覚的に面白い場面がたくさんあります。

「ピーマン、どこいった?」「あ、ここにいた!」という感じで、絵を見るだけで楽しめます。

うちの次女のゆい(年少3歳)は、「ピーマンが食べられないように頑張っているところ」が好きだと言っていました。ストーリーの細かい理解よりも、ピーマンの動きやリアクションが面白いのだと思います。

4〜5歳:ストーリーを理解してピーマンに共感する

4〜5歳になると、ストーリーの流れを理解できるようになります。「ピーマンはなぜ逃げているのか」「どうやって逃げようとしているのか」を理解して、ピーマンの気持ちに共感します。

この年齢になると、「ピーマン、かわいそう」「でも食べないとだめなんだよね」というような、少し複雑な感情も持ち始めます。

その感情の揺れが、ピーマンへの興味を深めます。

兄弟姉妹がいる家庭では一緒に楽しめる

うちのように年齢差のある兄弟姉妹がいる家庭でも、この絵本は一緒に楽しめます。

(関連記事:年齢差のある三姉妹が同時に楽しめる絵本5選。3歳と9ヶ月でも一緒に盛り上がる

上の子はストーリーを楽しみ、下の子は絵やキャラクターを楽しむ。それぞれの年齢に合った楽しみ方ができるので、一度に読み聞かせができます。

パパが読み聞かせるコツ+まとめ

最後に、パパが『うちのピーマン』を読み聞かせるときのコツをいくつかご紹介します。

ピーマンの声色を変えてみる

ピーマンのセリフを読むとき、少し高めの声やコミカルな声で読んでみてください。キャラクターが立って、子どもの笑いを誘いやすくなります。

「たべられたくないよー!」というセリフは、感情を込めて読むと盛り上がります。

子どもに「ピーマン、どうする?」と問いかける

ページをめくる前に、「ピーマン、次はどうやって逃げるかな?」と問いかけてみてください。子どもが想像して答える時間を作ると、絵本への没入感が高まります。

読んだ後に「今日の夕ごはん、ピーマンあるかな?」と聞いてみる

読み終わった後、「今日の夕ごはん、ピーマンあるかな?」と自然に話題をつなげてみてください。絵本と現実がつながると、ピーマンへの関心が高まります。

まとめ:ピーマン嫌いの子に、笑いと興味を届ける絵本

『うちのピーマン』は、野菜嫌いの子にとって「ピーマンへの第一歩」になる絵本です。

ポイントを3つにまとめます。

  • ピーマン視点のユーモアが、子どもの警戒心を解く
  • 柴田ケイコさんの愛嬌ある絵が、ピーマンを親しみやすくする
  • 繰り返し読むことで、食卓でのピーマンへの関心が高まる

三姉妹のパパとして、この絵本は「食育のサポート役」として優秀だと感じています。すぐに食べられるようになるわけではありませんが、ピーマンへの興味を育てるきっかけになります。

夕食前に読み聞かせてみてください。ピーマンを出したときの子どもの反応が、少し変わるかもしれません。

食育につながる絵本としては、料理の楽しさを伝える『しろくまちゃんのほっとけーき』もおすすめです。

(関連記事:『しろくまちゃんのほっとけーき』をパパが読んだレビュー。料理絵本の最高峰

また、パパ目線で選んだ絵本ベスト30もまとめていますので、あわせてご覧ください。

(関連記事:三姉妹のパパが選んだ絵本ベスト30。年齢別・用途別に紹介

寝る前の読み聞かせに使える絵本をお探しの方は、こちらもどうぞ。

(関連記事:寝る前の読み聞かせに使える絵本15選。3歳が落ち着いて眠れる

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この記事を書いた人

三姉妹のパパ「たっさん」です。
育休10ヶ月を取った30代会社員。
家族で実際に楽しんだ絵本・まんが・アニメを、
年齢別おすすめ・正直レビュー・パパ目線で発信しています。

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