「きょうだいが多いと、絵本選びってどうすればいいんだろう?」と悩んでいませんか。三姉妹を育てていると、上の子には物足りなく、下の子には難しすぎるという絵本のバランスに迷うこともあるかもしれません。
そんなときにおすすめなのが、『14ひきのシリーズ』(いわむらかずお作・童心社)です。14匹のねずみの大家族が、季節ごとの暮らしを描くこのシリーズは、きょうだいで役割分担しながら生活する姿が描かれていて、三姉妹家庭にも重ねやすい内容になっています。
この記事では、パパ目線で『14ひきのシリーズ』の魅力を解説します。シリーズ全12作の世界観から、年齢別の楽しみ方、最初の1冊におすすめの作品まで、実際に三姉妹と読んできた経験をもとにお伝えします。
最後まで読むと、『14ひきのシリーズ』がなぜ長く愛されているのか、そしてどの作品から手に取ればいいのかがわかります。
『14ひきのシリーズ』ってどんな絵本?基本情報
『14ひきのシリーズ』は、1983年に第1作『14ひきのひっこし』が出版されてから、40年以上にわたって読み継がれているロングセラー絵本です。作者のいわむらかずおさんが描く、細密で温かみのある自然の世界が特徴です。
14ひきの家族構成
このシリーズに登場するのは、ねずみの大家族14匹です。
- おじいさん、おばあさん
- お父さん、お母さん
- 10匹の子どもたち(一番上のお兄ちゃんから、一番下の赤ちゃんまで)
それぞれの子どもたちには名前があり、性格や得意なことも少しずつ違います。絵本を繰り返し読んでいると、「この子はいつも木に登ってるな」「この子は料理を手伝ってるな」といった個性が見えてきて、愛着が湧いてきます。
シリーズ全12作のテーマ
『14ひきのシリーズ』は、季節ごとの暮らしや行事をテーマにした全12作で構成されています。春夏秋冬それぞれに対応した作品があり、1年を通して楽しめる構成になっています。
| 季節 | タイトル | テーマ |
|---|---|---|
| 春 | 14ひきのぴくにっく | 春の野原でお弁当 |
| 春 | 14ひきのあさごはん | 朝の支度と家族の協力 |
| 夏 | 14ひきのせんたく | 洗濯と夏の川遊び |
| 夏 | 14ひきのかぼちゃ | かぼちゃの種まきから収穫まで |
| 秋 | 14ひきのあきまつり | 秋の実りとお祭り |
| 秋 | 14ひきのおつきみ | お月見の準備と家族の時間 |
| 冬 | 14ひきのさむいふゆ | 冬の寒さと家族の工夫 |
| 冬 | 14ひきのもちつき | お正月の餅つき |
| 通年 | 14ひきのひっこし | 新しい家への引っ越し |
| 通年 | 14ひきのこもりうた | 赤ちゃんの誕生と家族の喜び |
| 通年 | 14ひきのとんぼいけ | 池での遊びと自然観察 |
| 通年 | 14ひきのやまいも | やまいも掘りと秋の味覚 |
どの作品も季節感があり、「今の季節にぴったりだね」と子どもに話しかけながら読めるのが魅力です。
シリーズ全12作の世界観:14ひきの大家族と季節の暮らし
『14ひきのシリーズ』の最大の魅力は、季節ごとの暮らしが丁寧に描かれていることです。お引っ越し、朝ごはん、洗濯、お月見、餅つき。どれも特別なイベントではなく、家族の日常そのものです。
家族みんなで役割分担する姿
14ひきの家族は、みんなで協力して暮らしています。お父さんとお兄ちゃんたちが木を切って家を作り、お母さんとお姉ちゃんたちが料理をして、小さい子たちはテーブルを拭いたり、食器を運んだり。それぞれができる範囲で役割を分担しています。
この「自分も家族の一員として役に立っている」という感覚が、子どもの自己肯定感を育てるんじゃないかと思っています。実際に読み聞かせをしていると、小1のめいが「私も手伝う」と言って、妹たちの朝の支度を手伝うようになったことがありました。
細部まで描き込まれた自然の美しさ
いわむらかずおさんの絵は、背景の草花や虫、木の実まで細かく描き込まれています。1ページに何十もの発見があり、読むたびに新しい気づきがあります。
「あ、ここにてんとう虫がいる」「このきのこ、図鑑で見たやつだ」と、子どもたちが自分で見つける楽しみがあるのもこのシリーズの特徴です。絵を眺めているだけで、森の中にいるような気分になります。
季節の移り変わりを絵本で感じられるので、図鑑代わりに使っている家庭もあるそうです。
きょうだいが多い家庭に刺さる理由
三姉妹を育てていて感じるのは、きょうだいが多いと、一人ひとりの役割が自然に生まれるということです。上の子は下の子の面倒を見て、真ん中の子は上と下をつなぐ役割をして、末っ子は家族のムードメーカーになる。
『14ひきのシリーズ』には、そんな多人数家族のリアルな空気感があります。誰か一人が主役ではなく、みんながそれぞれの持ち場で頑張っている。その姿が、三姉妹家庭にも重なって見えるんです。
育休中に三姉妹と一緒に過ごしていると、「14ひきの家族みたいだね」と妻と笑いながら話すこともありました。
細部まで楽しめる、自然の描写の魅力
『14ひきのシリーズ』の絵は、一度見たら忘れられないほど細密です。ページをめくるたびに、森の香りや土の匂いまで感じられるような世界が広がっています。
虫や植物の名前を覚えるきっかけになる
絵本の中には、てんとう虫、カタツムリ、トンボ、バッタなど、たくさんの虫が登場します。植物も、タンポポ、スミレ、ドングリ、栗、きのこなど、実際に野山で見かけるものばかりです。
図鑑と違って、絵本の中では虫や植物が「背景」として自然に描かれているので、子どもが無理なく名前を覚えられます。散歩中に「あ、14ひきの絵本に出てきたやつだ」と気づく瞬間があると、親としても嬉しくなります。
季節の変化を絵で感じられる
春には芽吹きの緑、夏には濃い緑と青空、秋には紅葉と実り、冬には雪と静けさ。それぞれの季節の空気感が、絵だけで伝わってきます。
文章は短めでシンプルなので、2〜3歳くらいの子でも絵を眺めながら楽しめます。文字が読めない年齢でも、絵だけで十分に物語を感じられる作りになっています。
何度読んでも新しい発見がある
『14ひきのシリーズ』は、読むたびに新しい発見があります。最初は話の流れを追うだけだったのが、2回目は「この子は何をしてるんだろう」と個々のキャラクターに目が行き、3回目は「このページにこんな虫がいたんだ」と背景に気づく。
何度でも楽しめるので、図書館で借りるよりも、家に揃えて繰り返し読むほうがこのシリーズの魅力を味わえると思います。
きょうだいで役割を分担する家族像が子どもに与える影響
『14ひきのシリーズ』を読んでいると、子どもたちが「自分も何かできる」と感じるようになる瞬間があります。それは、絵本の中で描かれる家族の姿が、押しつけがましくなく、自然だからだと思います。
「自分も家族の一員」という意識が育つ
14ひきの家族では、小さい子どもたちも「できること」を担っています。食器を運ぶ、テーブルを拭く、赤ちゃんをあやす。それがごく自然に描かれているので、読んでいる子どもも「自分もやってみよう」と思えるんです。
実際に、小1のめいは『14ひきのあさごはん』を読んだ後、「私もお皿並べる」と言って手伝ってくれるようになりました。年少のゆいも、「ゆいもできる」と言って、小さなことでも進んでやろうとする姿が見られます。
きょうだい間の協力が描かれている
14ひきの子どもたちは、年齢差があっても協力し合います。お兄ちゃんが弟を手伝い、お姉ちゃんが妹の面倒を見る。その姿が、押しつけられた役割ではなく、自然な助け合いとして描かれています。
三姉妹を育てていると、上の子に「お姉ちゃんなんだから」とつい言ってしまうこともありますが、この絵本を読んでいると、「お姉ちゃんだから」ではなく「家族だから」という視点で声をかけられるようになった気がします。
多様な役割があることを知る
14ひきの家族には、力仕事が得意な子、料理が得意な子、小さい子の面倒を見るのが得意な子、観察が得意な子など、それぞれの得意なことがあります。
「みんなが同じことをする」のではなく、「それぞれができることをする」という家族像が、子どもにとって安心感につながるのではないでしょうか。
最初の1冊におすすめは?人気作TOP3
『14ひきのシリーズ』は全12作ありますが、最初の1冊に迷ったら、以下の3作がおすすめです。どれも家族の協力が描かれていて、季節感もわかりやすい作品です。
1位:『14ひきのあさごはん』
シリーズの中でも特に人気が高いのがこの作品です。朝起きてから朝ごはんを食べるまでの時間を描いています。
- お父さんたちが薪を割り、火を起こす
- お母さんたちが料理を作る
- 子どもたちがテーブルを準備する
- みんなで「いただきます」をする
家族の一日の始まりが丁寧に描かれていて、読んでいると「うちの朝ごはんもこんな風に準備してるんだな」と気づかされます。生活のリズムを意識するきっかけにもなる1冊です。
2位:『14ひきのおつきみ』
秋の夜、14ひきの家族がお月見の準備をする物語です。木の上にお月見台を作り、お団子を並べて、月の出を待つ。その静かで温かい時間が、絵と文章で丁寧に描かれています。
秋の行事を知るきっかけにもなりますし、夜の風景が美しいので、寝る前の読み聞かせにもぴったりです。
3位:『14ひきのぴくにっく』
春の野原へピクニックに出かける話です。お弁当を作って、みんなで森を歩き、野原で食べる。シンプルなストーリーですが、春の草花や虫たちが細かく描かれていて、見ていて飽きません。
外遊びが好きな子どもにはぴったりの1冊です。読んだ後に「ピクニック行こう」と言われることもあるかもしれません。
年齢別の楽しみ方(2〜3歳/4〜5歳/小学生)
『14ひきのシリーズ』は、年齢によって楽しみ方が変わる絵本です。長く読み続けられるのも、このシリーズの魅力の一つです。
2〜3歳:絵を眺めて楽しむ
この年齢では、文章を全部読むよりも、絵を指差しながら「これは何?」「ここにいるね」と会話するのがおすすめです。
- 「てんとう虫いたね」
- 「ごはん作ってるね」
- 「お月さま大きいね」
文字が読めなくても、絵だけで十分に楽しめる作りになっているので、2歳後半から楽しめます。年少のゆいも、文章を飛ばして絵だけを眺めることがよくあります。
4〜5歳:ストーリーを追いながら、細部も楽しむ
この年齢になると、物語の流れを理解しながら、絵の中の発見も楽しめるようになります。
- 「このきょうだい、何してるんだろう」
- 「このページにカタツムリいた」
- 「お団子、おいしそう」
読み聞かせの時間が少し長くなっても集中できるので、じっくり読むのに向いている年齢です。
小学生:文字を読み、季節の知識とつなげる
小学生になると、自分で文字を読めるようになり、季節の行事や自然の知識ともつながります。
- 「お月見って秋なんだね」
- 「この虫、学校で見た」
- 「お餅って、こうやって作るんだ」
小1のめいは、『14ひきのおつきみ』を読んでから、実際に夜空を見上げて「今日は満月かな」と言うようになりました。絵本がきっかけで、身の回りの自然や季節に興味を持つようになるのは、親としても嬉しい変化です。
パパが読み聞かせるコツ
『14ひきのシリーズ』は、パパが読むのにもぴったりの絵本です。文章が短めでリズムもゆったりしているので、読み聞かせに慣れていないパパでも読みやすいと思います。
絵を一緒に眺める時間を大切に
この絵本は、文章を読むだけで終わらせるのはもったいないです。1ページずつ、「ここに何がいるかな」「このきょうだい、何してるかな」と声をかけながら読むと、子どもも絵をじっくり見るようになります。
急いで読み進めるのではなく、子どものペースに合わせてゆっくり読むのがコツです。
「14ひきみたいに、明日やってみようか」と声をかける
読み終わった後に、「14ひきみたいに、明日の朝ごはん一緒に作ろうか」と声をかけると、子どもも「やってみたい」と言ってくれることがあります。
絵本を読むだけで終わらず、日常とつなげるきっかけにすると、子どもにとっても記憶に残る体験になります。
寝る前の静かな時間におすすめ
『14ひきのシリーズ』は、ストーリーが静かで穏やかなので、寝る前の読み聞かせにも向いています。特に『14ひきのおつきみ』や『14ひきのこもりうた』は、夜の雰囲気が描かれているので、寝る前の時間にぴったりです。
育休中に寝かしつけを担当していたとき、この絵本を読むと、三姉妹も落ち着いた気持ちで眠りにつくことが多かったです。
まとめ
『14ひきのシリーズ』は、三姉妹家庭にも重なる大家族の暮らしが描かれた、温かみのある絵本です。きょうだいで役割を分担しながら協力する姿や、季節ごとの自然の美しさが、子どもの心に静かに響きます。
パパ目線でおすすめするなら、以下の3点が特に魅力です。
- きょうだいで協力する姿が、子どもの「自分も家族の一員」という意識を育てる
- 細部まで描き込まれた自然の絵が、何度読んでも新しい発見をもたらす
- 季節ごとの暮らしを通して、日常の行事や自然に興味を持つきっかけになる
最初の1冊に迷ったら、『14ひきのあさごはん』か『14ひきのおつきみ』から始めてみてください。どちらも家族の協力が描かれていて、読み聞かせしやすい内容です。
まずは図書館で借りてみて、気に入ったらシリーズで揃えていくのもおすすめです。長く読み続けられる絵本なので、きっと家族の思い出の1冊になると思います。


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